首切りさまと呪いのハロウィン
怒鳴る男性へ向けて「ここでなにがあったんですか?」と、冷静な声で玲二が質問した。
その質門に男性は立ち止まり、肩で呼吸を繰り返す。

まるで品定めするように私達をジロジロと眺め回した後、大きくため息を吐き出した。
「急に怒鳴って悪かった。君たちは悪さしそうな子じゃないな」

と、つぶやくように言う。

「何日か前ここの地蔵の首を持ち帰ったバカ者がいるんだ。おそらく、君たちくらいの年齢の男の子だと思う」

「首を持ち帰る……?」
玲二の顔がサッと青ざめる。
だけど同時に疑問も浮かんできていた。

自分たちの考えていることはおそらく正しい。
だけど、石でできた地蔵の首を持ち帰るなんてそう簡単なことじゃないはずだ。

「そうだ。この地蔵はかなり昔からここにあって、随分劣化も進んでるんだ。ほら、土台だって石が欠けてるだろう?」
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