首切りさまと呪いのハロウィン
指差してそう言われると、布からはみ出している土台部分もかなり劣化しているのがわかった。

「首まわりもいつ落ちるかわからないような状況だったんだ。ちょっと足で蹴飛ばせば、それこそゴロリと取れるようなな」

男性の言葉にベッドの上からゴロリと転がって床に落下した友斗の首を思い出した。
胃がギュッと締め上げられて酸っぱいものがこみ上げてくるが、必死で我慢した。

「そうだったんですか……」

親戚に地蔵作りを断られた友斗はこの地蔵の首を見て、首だけなら持ち帰ることができそうだと思ったのかもしれない。

そして今男性が言ったように、力づくで蹴って首をもぎ取った。
「ところで、君たちそれは大丈夫なのかい?」

男性が不意に心配そうな顔になってそんなことを聞いてくるので、私達は首をかしげた。
「ちょっと待ってろ」

不思議顔になった私達を見て男性が急いで家の中に戻ると、すぐに手鏡を持って戻ってきた。
「ほら、3人共首に赤い線がある」
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