転生した平凡顔な捨て子が公爵家の姫君?平民のままがいいので逃げてもいいですか

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「あたしは今まで誰も弟子なんざ迎えたことがない、今後も迎えないつもりだった」

”主は気まぐれだからな”

それまで黙っていたエフリアちゃんがぽつりと言った
気まぐれ・・・・・あたしを弟子にするのは気まぐれなのかな?ただの思い付き?
それでもいいあたしはここで生きていく為に勉強して早く自立するために頑張らないと

「弟子にしようと思ったのは多分マリーがあたしの使い魔と会話が出来るから」

「「・・・・・・・は?」」

「ほ、本当ですか?ライラさん!」

「嘘ではないでしょうねライラ!冗談だったなんて言ったら許さないわ」

「冗談ではないあたしも正直驚いたよ自分の使い魔ではないものと会話が出来るなんて」

「王家と三大公爵家の人間だったら自分の使い魔でなくても会話が出来るものが過去に何人かいたらしいわ昔だけど」

「そうなんですね・・・・・」

「だから興味が湧いたんだよこの首輪さえ外れればこの子にも魔力が戻るだろうし育ててみたいって素直にそう思っただけだ」

ライラさんはそんなことを言いながら笑みを浮かべるとさっきから気になっている条件を言い始めた

「あたしももう年だからねえこんな小さな子の世話が出来るかって不安もある、そこで考えたんだよ条件をクリアすれば弟子にしてやろうってね一つ目は自分で自分のことが出来るようになること」

「自分のこと・・・・・でしゅか?」

「そう、着替えや顔を洗ったり歯磨きしたり身支度を自分ひとりで出来るようにする朝起きるのもそうだよもうひとつはこれだ」

彼女は一冊の本を差し出したなんて書いてあるんだろう
綺麗なえんじ色の本をライラさんはあたしの手にそっと置いた

「これは初心者向けの文字を覚えるための本だよ」

「文字を覚える本?「そうだよ全部覚えろとは言わない、だがせめて自分の名前くらいは書けるようにするんだ今度逢う時までの宿題だあとこれがもっとも大事な条件だ」


「マリーを育ててくれたシスターミラと院長先生にちゃんと許しをもらうんだ」

「許し・・・・」

「ああ、そうだ黙って出てくなんてあたしは許さないよきちんとふたりをマリーが説得しておいで2か月後にまた来るからそれまでに条件をクリア出来るように頑張るんだよ」

ライラさんはそんなことを言い残して孤児院を去っていく
2か月後すべてクリア出来るように頑張らなくちゃ
貰った大きな本を握りしめるあたしを陰からロジータちゃんがそっと見つめていた
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