転生した平凡顔な捨て子が公爵家の姫君？平民のままがいいので逃げてもいいですか

「おいおい、魔法契約書とはいささか大袈裟ではないか？マリーはまだこんな幼子なんだよ」

「師匠の言う通りだそれにギルバート、マリーは誰にも言わないって今言ったではないか」

「甘い！甘いですよアルフレッド様！わたしは念には念を入れないとって思っただけでマリーちゃんが信用できない訳ではないですってば」

「ギルバート・・・・・お前！」

「訳を聞こうじゃないかこんな幼い子に魔法契約をさせてまで病状を黙ってろって言った訳を・・・・・こんなあたしでも一応アルフレッド第二王子殿下の魔法の師匠なんだしね」

・・・・・・へ？王子殿下？だ・・・・
第二王子殿下！？って
ああ、なんか今、納得だなって思った
言葉使いもだけど所作も綺麗だしなにより子供なのに妙に全てが綺麗なのだ
孤児院の男の子たちとは雲泥の差だ妙に落ち着いてるしなにより身なりもだし肌も手も綺麗
今になってやっと気づいただからライラさんとギルバートさんは彼に礼を持って接している

「王子しゃまなんでしゅね」

「マリー黙っててすまない」

「謝んなくていいでしゅ、あ？いいでございましゅ？」

「あ～マリーはそのまんまのマリーでいい！普通にしてくれていいから」

「あい！普通でしゅね？不敬って罰さないでくだしゃいね」

「罰さないよなんてったってお前は俺の恩人だからな」

「ふふふっ・・・・で魔法契約っていったいなんでしゅか

魔法契約とは魔法省で作成した専用用紙に互いの魔力を流して様々な契約をすること
土地の売買契約とか雇用契約とか大事な契約の時に使われるものなんだとか
もし破ったらかなりのペナルティがあるらしい
そのペナルティも契約の時に決める決まりなんだとか重いものだと処刑とか死罪とかもあるみたいだけどそんなものを設定する人は稀
大抵は何年か無料奉仕で働くとか修道院で何年か過ごすとかそんなのが妥当な罰則らしい
その罰則に従わなかった場合は魔法省のほうから呼び出しがあってまた別にペナルティが課せられるってことみたい
なんだか怖い・・・・・正直そう思ったでもなんでだろアルフレッド王子の発作のことなんてあたし誰にも言うつもりもないし言わないのに


「魔法契約のことはまあわかったでしゅけど・・・・・なんで」

「マリーがそう思うのも無理はないよ子供だからって何も説明せず契約しようだなんてあたしが許さないよ」

「師匠・・・・全ては俺のせい、俺が悪いんだ」

「アルフレッド様！！殿下は何も悪くございません」

「いや、俺が悪いんだ魔法契約はしなくていい」

「アルフレッド様！？」

「ギルバート、この話はもう無しだ第一マリーが貴族と接点がない以上幼い子供に苦痛を味わわせるのは俺の気持ちが許さないなによりマリーに契約をさせるなら師匠もするってことだろうそれは駄目だ」

彼はそう捨て台詞を吐くとこの家を出て行った、風のように駆け抜けていった彼はなんだか幻のようでこの日からしばらく会えない日が続くのだった