転生した平凡顔な捨て子が公爵家の姫君?平民のままがいいので逃げてもいいですか

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あれからアルフレッド君いやアルフレッド王子とは会っていない
王子という身分だもんそんなに外出出来ないよねえ、前回ライラさんのところに来たのは魔力の制御を学ぶ為だったんだとか
魔法学校でもかなりの実力者だった彼女をおいて王子に教える人物は他にいないってことで白羽の矢がたったようだ
でも過呼吸なんて事態になってしまったためそのうち日を改めてまた行くってことになったみたい
彼も貴族学校の入学とかあってなかなか忙しいらしい王族も大変だねえ
あたしのほうはと言うと解呪も順調であと数回で首輪がとれるかなあなんてライラさんが言ってたからこのまま魔法省の長官のところには行かずライラさんのもとで解呪することが決定した
まあ色々忙しいひとらしいしあたしも申し訳ないなって思ってたからちょうどよかった
ここ数日はライラさんのところに泊まりこみ薬草や魔術の勉強をしたり解呪をしてもらったり盛りだくさんの日々を過ごしていた

「へ~器用なもんだねえ、これはなんだい?あ、わかったドラゴンか?」

”マリードラゴンはもっと大きいぞ”

「ドラゴンじゃない!!鶴だよ~ってわかんないかこっちの世界では鶴はいないの?」

「鶴・・・・?なんだいそりゃ?」

「いないんだね鶴・・・・」

「鳥よ!これは鳥なの!」

”ドラゴンにしか見えん”

実はあたしはエフリアちゃんと師匠には前世の記憶があるってカミングアウトしている
隠しているのが辛くなってきたっていうか誰かに知ってほしいってのが本音、黙ってられなかった
この二人なら言っても大丈夫かなって思ったからふたりの反応はそうなんだ~って感じでなんとなくわかっていたっぽい
変な奴って思わない?って聞いたら面白い奴って笑って言ってくれたから気持ちが楽になったよ・・・・よかった
・・・・・で、今は前世でやってた折り紙をして鶴を折ったふたりの反応がまあこんな感じあたしももうすぐ5歳だからかなりきちんと喋れるようになったしあとは首輪が無事外れるのみ
楽しみだなあ魔法がガンガン使えるようになるのかなあ今は座学だけだからどうなるか自分でもわかんないけどひたすら楽しみだ

「これはなんだドラゴンか?」

「鳥・・・・・です」

突然前触れもなく現れたアルフレッド王子に少々困惑気味
忙しいんじゃなかったの?っていうかあなたもドラゴンって言うんだ

「マリー久しぶりだな元気にしてたか?相変わらずチビだな」

「アルフレッド様お久しぶりです元気ですよ」

っていうかチビは余計だこれでも少し身長は伸びてるんだけど

「これ貰っていいか?」

「へ?いいですよ」

「何個か作ってはくれぬか」

「いいですけど折り方教えましょうか?」

「うん頼むよ・・・・・で、ついでなんだがお願いがあるんだが」

「なんですか?」

「普通に話してはくれないか」

「え?それは無理です不敬では?あたしは平民ですよ」

「俺がいいって言ってるふたりきりの時は普通に話してほしい」

「わかりま・・・・・わかった」

頷いたあたしの頭をくしゃりと撫でるアルフレッド王子の笑顔がただひたすら眩しい
でも座るところあるのになんで隣に座るんだろ?
なんてこの時のあたしはどうでもいいことを頭の中で考えていた
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