転生した平凡顔な捨て子が公爵家の姫君?平民のままがいいので逃げてもいいですか
アウラside

シュバイツァー公爵家、この国の民ならば誰でも知っている名門中の名門の家だ
貴族に疎いあたしのような小娘でも知っている何故なら過去に遡ると初代聖女に始まり何人も聖女を出しているから
でもここ何年かは聖女と呼ばれる女の子は生まれて居なくて男の子ばかりが生まれているって噂に聞いたけど
その公爵家に生まれる息女だけが使える聖魔法が何故この腕輪に込められてるの?

「何故シュバイツァー公爵家の息女にだけ使える聖魔法がこれに込められているのか?それは君が知らなくてもいいことだ」

・・・・・えっ?!

オスカーと名乗る目の前の魔術師は射殺すかのような瞳であたしを見つめるとそう答えた
すべて見透かされてる・・・・・・なんだか怖くなってぎゅっと手を握りしめた

「君のような他の人間を蹴落としても上に行きたい、ハングリー精神の塊のような子は意外と多いが貴族と平民の血をひいてる子はなかなかいなくてね君のような子を探していたんだ」

「はあ・・・・・そうですか」

「僕の言う通りにすれば君は聖女になれる」

せ・・・・・聖女?

「君の人生が変わる」

「人生・・・・・・「シュバイツァー公爵家の息女にしか使えない聖魔法が使える者そんな人物が現れたら世間はどうなると思う?」

「まず。驚くと思います」

「そうだね~何故歴代公爵家の娘にだけ使える魔法が君に使えるのか?まず公爵家は家の威信にかけて君に逢おうとするし保護するだろうねそして恐らく君を養女に迎えるだろう」

「よ・・・・・養女?!待ってくださいあたしは半分貴族ですが孤児の・・・・ただの小娘です公爵家の養女って」

「それだけ聖魔法は得難いものなんだ治癒魔法を使えるものは多々いるが万能ではない、対して聖魔法は聖女だけが使える魔法で欠損でも解毒でも何でもできる万能ともいえる魔法だ、浄化も可能だし難病と言われる病も聖魔法なら治せる」

「う・・・・嘘!?」

「嘘ではないこの腕輪があれば君は聖魔法が使える・・・・・君は全て思いのままだ」

「思いのままってこの腕輪をあたしにくれるってことは何か対価があるのでは?」

胡散臭い男だ・・・・・この腕輪があれば聖魔法が使えてみんなにちやほやされていいかもしれないけど旨い話には必ず裏がある
それを聞いてからじゃないとこの男の言うことは聞けない

「なんとか言ったらどうですか?」

「聖女が生まれる代々続いた名家、清廉潔白で筆頭公爵家でもあり王家での発言力も高く現当主も優秀だ」

「そうなんですね・・・・・でもあたしの質問にまだ答えてないです」

「そんな家目障りだと思わない?王家共々壊しちゃおうよ」

この時こいつから逃げればよかったんだ
こいつに付いていかなければあたしの人生は違ってたのか
この時のあたしは後に後悔することになろうとは思いもしなくて聖女になれる薔薇色の未来しか思い描いてはいなかった
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