転生した平凡顔な捨て子が公爵家の姫君?平民のままがいいので逃げてもいいですか

あれからどれくらいの時が経ったのだろう感覚的に一週間位だと思う
あたし自身ぼーっとして熱に浮かされてるせいか夢見心地でその時のことはあんまり覚えていない
シスターによれば三日三晩熱が下がらず治癒魔法は施したもののあとは本人の体力と運次第と言われたらしい

まあなんとか持ち直したあたしは今日も孤児院で元気に過ごしている
お世話をしてくれるのはロジータちゃんって赤毛の10歳の女の子
こんな小さな子が大丈夫かって思ってたんだけどこの子は手馴れてるのか凄いんだよ
おむつ替えもミルクを飲ませるのもお手の物とっても上手なのだ
シスターたちはあと二人いて色々忙しいからどうしても子供たちがお世話することになるんだとか
今日も朝起きるとお尻が冷たいしお腹も空いてる
皆忙しいのは判ってるけどまだあたしは寝返りもうてない赤ちゃん
ようやく首がすわったって感じだから自分のことが自分でできるはずがないのだ

今日もないてロジータちゃんを呼ぶごめんね、今のあたしには泣くしかできないのよ
ひとしきり泣いた後彼女の足音と声が聞こえてくる

「マリーちょっと待ってて~今行くね~」
彼女は数人の子分を引き連れ現れると一気に賑やかさが増した


「あ~赤ちゃんだ~」
「本当だ赤ちゃんだ~可愛い!!」
「抱っこ!抱っこしたい!!」

4~5歳の男の子があたしのベビーベットを取り囲む
え?今からおむつ替えるんだけど男の子には見られたくないな
っていうかいつの間のか名前がマリーになってんのね
前世と似てる名前でよかったよ
でも必死の抵抗もむなしくひん剥かれるとてきぱきと替える彼女はあっという間におむつ替えを終えた

「ねえロジータ姉ちゃん赤ちゃんの首に着いてんのなあに?」

ひとりの子が何気なく発した言葉に妙にどきりとして何故か冷汗が流れた
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