【書籍化決定】貧乏令嬢のポジティブすぎる契約結婚〜継母としてもがんばります!〜
「なっ、なんで……!?」
カトリーヌの声が震えていた。
大きく目を見開きつつも、カトリーヌは呟くように言った。
「ララが刺して死んだはずでしょう? なんでよっ」
カトリーヌはあまりにも驚きすぎて、本音が漏れてしまったようだ。
その言葉にリュドヴィックが反応を返す。
「何故、ディアンヌが死んだと断言できる?」
「そ、それはララがこの女をナイフで刺して殺したからっ! 動かなくなって、それで……!」
「先ほどこの部屋に来たと言いながら、随分と詳しいんだな」
「違っ……!」
「見苦しい言い訳は不要だ。意味がない」
カトリーヌはリュドヴィックの恐ろしい表情にやっと気がついたようだ。
だけどディアンヌが起き上がったことに納得できないらしい。
何度もララとディアンヌを交互に見ている。
その視線は何が起こったのか、わからないと言いたげだ。
部屋に戻ってきたマリアはディアンヌの姿を見て「ヒッ!」と悲鳴を上げる。
ディアンヌがマリアと目を合わせて頷いたことで、なんとなくではあるが状況を把握したのだろう。
ディアンヌはピーターをマリアの元に向かうように促す。