【書籍化決定】貧乏令嬢のポジティブすぎる契約結婚〜継母としてもがんばります!〜
ララは涙を流しながらも、今まであったことや家族の状況を話していく。
レアル侯爵に騙されて多額の借金を背負わされたこと。
家族がレアル侯爵領で暮らしていくために、ララが奉仕という形でカトリーヌの侍女として働いてきたことも。
ララの話を聞きながらディアンヌは涙が止まらなかった。
果汁が固まってカピカピになりつつも、ララと抱き合って泣いていた。
「……そんなことが。気づけなくてすまない」
「い、いえ……ワタシが未熟なばかりに」
「この国の宰相としても、屋敷の主人としても申し訳なく思う」
「とんでもございませんっ!」
「私の責任だ」
「ベルトルテ公爵、頭を上げてください……っ!」
リュドヴィックが軽く頭を下げると、ララはパニックになっているのか手を前に出しながらブンブンと横に振っている。
それからリュドヴィックは「すぐに対応する」と言って、ロウナリー国王に早馬を送る。
屋敷の使用人たちとも定期的に話をする機会を設けるそうだ。
それからカトリーヌがしたディアンヌへの数々の嫌がらせも明るみになり、彼女に協力した料理人も解雇。
ディアンヌはリュドヴィックに黙っていたことを怒られることになる。
「どうしてすぐに報告してくれなかったんだ?」
「リュドヴィック様は忙しそうでしたし、屋敷にいなかったので……」
「……」
「それにピーターやマリアが守ってくれましたから!」