【書籍化決定】貧乏令嬢のポジティブすぎる契約結婚〜継母としてもがんばります!〜
黙り込んでしまったリュドヴィックは何かを訴えかけるようにこちらを見ている。


「リュドヴィック様、どうかされたのですか?」

「今回の件で反省点が見えた。だが、私も頼って欲しい」

「え……?」

「君に辛い思いをさせたくない」


リュドヴィックの言葉にディアンヌの心臓は高鳴っていく。


「私にはディアンヌを守る義務がある」

「そ、そうですよね!」


ディアンヌはリュドヴィックの言葉に翻弄されていた。
契約結婚だから、ディアンヌを守る義務があると言っただけだと必死に言い聞かせる。
胸が痛むのは気のせいだとお思っていると……。


「もうこんな無茶はしないでくれ」

「……ッ!?」


リュドヴィックはディアンヌを優しく抱きしめてくれた。
それには驚いて動けなくなってしまう。


「リ、リュドヴィック様!?」

「お願いだ」


リュドヴィックの言葉にディアンヌは頷いた。
すると彼の体が離れる。
先ほどから心臓がうるさくて落ち着かない。
ディアンヌはリュドヴィックを見つめたまま、動けずにいた。
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