貧乏令嬢のポジティブすぎる契約結婚〜継母としてもがんばります!〜

「パーティーは終わったが……なんだ。ピーターは寝てしまったのか」

「……はい。申し訳ありませんでした」

「いいや、構わん。だが、屋敷で待っていればよかったのではいか?」

「私がいなければ陛下が何をするかわかりませんから」

「ははっ、それもそうだな!」


笑っているロウナリー国王とリュドヴィックを交互に見たままディアンヌは動けずにいる。
リュドヴィックはロウナリー国王にこの状況を説明すると共に、ディアンヌの身にあったことを話していく。
ディアンヌが令嬢たちに囲まれており、嫌がらせを受けて、この場に一人で招待されたことも……。


「そうか、それは災難だったな」

「い、いえ……!」

「それにしても結婚相手を探して、わざわざこのような場に招くとは意地が悪いな」

「招待状も盗んだことにされてしまい……きっと皆さんに誤解されてしまいましたよね」


ディアンヌは眉を寄せながら、ピーターの頭を優しく撫でていた。
この噂が広まってしまえば、働き口がなくなってしまうのではないかという不安が頭を過ぎる。


「結婚……ふむ、結婚か」


すると、何かをブツブツと呟いているロウナリー国王と目が合った。
ロウナリー国王はディアンヌを見て頷いている。
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