貧乏令嬢のポジティブすぎる契約結婚〜継母としてもがんばります!〜
特に弟のロランは今年、王立学園への入学が控えていた。
なんとかメリーティー男爵領を盛り立てようと、今まで努力していたロラン。
彼は身分関係なく学ぶ機会が与えられるロウナリー王立学園に行くことをとても楽しみにしていた。
ロウナリー王立学園に入学する条件は貴族であること。
学費を払えたら、最高の学びが得られるのだ。
ディアンヌはまだなんとか王立学園に入学することができた。

毎日、制服なのもディアンヌにとっては助かったといえるだろう。
パーティーやお茶会などの話ばかりで、肩身の狭い思いをすることも多かったが、令嬢として最低限のマナーや振る舞いを学べたのは大きい。
身分が低い令嬢同士、肩を寄せ合いながら学園を過ごしていたが、肩肘張らないで過ごせた。
今ではいい思い出だ。

幼い頃から教育を受けている令嬢たちは退屈そうだったが、講師を雇える余裕がないディアンヌにとっては貴重な場となる。
何もかもが煌びやかで別世界に見えたが、ディアンヌにとってはいい経験だった。
ディアンヌは今年卒業することもできたが、ロランはどうだろうか。
ロランはメリーティー男爵家を継ぐために努力してきたことを知っているからこそ、諦めたくはなかった。

(このままだとロランの努力が……!)
< 4 / 36 >

この作品をシェア

pagetop