貧乏令嬢のポジティブすぎる契約結婚〜継母としてもがんばります!〜
(そうなると結婚相手は、もう探さなくていいということなのかしら)

ディアンヌはこれから自分がこれからどうすべきかを考えていた。


「たしかメルトルテ公爵領とメリーティー男爵領は隣同士か」

「はい、そうです」


メルトルテ公爵領はメリーティー男爵領と隣同士ではあるが、公爵領は男爵領よりもずっと大きいことを思い出す。
ディアンヌはロウナリー国王がいまいち何が言いたいのかわからない。
しかし長年彼と共にいるリュドヴィックは、ロウナリー国王げ何を言いたいのかわかったようだ。
リュドヴィックが、焦ったように唇を開いた時だった。
ロウナリー国王は満面の笑みを浮かべながらこう言った。


「リュド、ディアンヌと結婚するのはどうだ?」

「「……っ!?」」


その言葉を聞いたディアンヌは、口をあんぐりと開けた。
リュドヴィックは言葉を詰まらせながらも額を押さえている。
それから大きなため息を吐いた。


「陛下……思いつきで発言するのはやめてくださいと、いつも言っておりますよね?」

「思いつきではない。お前もいい年齢だし、この世界でこのままパートナーがいないのはどうかと思うぞ!」

「……!」

「このままではピーターに振り回され続けるだろう? そうなれば仕事にも支障が出る。実際、リュドの作業効率は落ちているではないか」

「…………」
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