貧乏令嬢のポジティブすぎる契約結婚〜継母としてもがんばります!〜

その時、シャーリーはとてもいいことを思いつく。
それはメリーティー男爵家を完全に潰せるものだ。
これでディアンヌが二度と社交界に出ることはなくなると思った。
社交界でディアンヌの姿を見ることはないが、名前を聞くだけで不快だ。

(フルーツを全部狩り尽くして、二度と立ち直れないようにしてしまいましょう!)

シャーリーは父に盗賊を雇うように進言して、メリーティー男爵家のフルーツをすべて盗むように指示を出す。
『メリーティー男爵領が手に入る機会よ』と、言うとすぐその気になった。
もう少しでメリーティー男爵領が手に入りそうだと思っていると、ディアンヌから直接シャーリー宛てに手紙が来たのだ。
弟たちのために結婚相手を探して援助してもらいたい。
ドレスを貸して欲しいというものだった。
しぶとく貴族社会で生き残ろうとするディアンヌの行動が腹立しくて仕方ない。

(あんな子が結婚なんてできるわけないじゃない……さっさと落ちぶれなさいよっ!)

そう思ってはいてもディアンヌのあの性格なら、誰かに見初められることもあるかもしれない。
彼女が自分より幸せになり、笑っている姿を想像してしまった。
そうなったらシャーリーのプライドが許さない。


「フフッ……痛い目見せてあげるわ!」
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