貧乏令嬢のポジティブすぎる契約結婚〜継母としてもがんばります!〜
普通ならば悲しむ場面なのだろうか。
だがディアンヌはこの件をかなりポジティブに捉えていた。
むしろ好条件すぎて夢でも見ているようだ。
お金目当ての結婚をしようとしていたが、こんな風に気遣ってもらえたかはわからない。
でもリュドヴィックと共にいたら、少なくともそのようなことはないだろう。
ディアンヌはリュドヴィックの手を握り、彼を見上げた。
リュドヴィックはディアンヌの勢いに驚いている。


「リュドヴィック様、安心してください! わたしは愛情を求めているわけではありませんから」

「……!」

「わたしはこれ以上ないほど嬉しい条件をいただけて、感無量です。リュドヴィック様の期待に応えられるようにがんばって働きます……!」

「働く……?」


ディアンヌはリュドヴィックの問いかけに大きく頷いた。
メリーティー男爵家を助けてくれるリュドヴィックに恩を返すために気合い十分だった。

(こんなことまでしてくださるなんて……リュドヴィック様は神様だわ!)

それにリュドヴィックからの愛など、ディアンヌは最初から求めていない。

(つまり利害関係の一致……! でもこんな大金を毎月もらうんだからリュドヴィック様の役に立てるように働かないとね)
< 74 / 84 >

この作品をシェア

pagetop