貧乏令嬢のポジティブすぎる契約結婚〜継母としてもがんばります!〜
(みんながんばってる……わたしもできることをしましょう!)

ディアンヌはピーターと時間を過ごしながら、彼の気持ちに寄り添おうと努力していた。
次第に少しずつではあるが、見えない部分が浮き彫りなっていく。
一番大切な人を亡くしてしまい、まったく違う環境で過ごすことになる。
人はたくさんいるが疎外感は消えないまま、不安だけは大きくなっていく。
だからこそリュドヴィックに縋ろうとしていたのかもしれない。

ディアンヌもこの二週間で環境の変化についていくのに必死だった。
自分のことは自分でしていたのに、ここでは人にやってもらうことが当然なのだ。
今までの当たり前が当たり前じゃない。
ディアンヌでも大きな違和感を感じるのだから、子供のピーターの戸惑いはもっと大きいものだったろう。

ピーターもディアンヌと自分が同じ状況でいることを薄々勘づいているのかもしれない。
小さいながらもディアンヌを助けようと動いてくれるのがわかる。
部屋の場所を教えてくれたり、必要なモノをマリアと一緒に持ってきてくれたりした。
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