マイナスの矛盾定義
動物が好きなんだろうか?



「そう言うお前はどうなんだよ」


「んー、体の部位の話になっちゃうけど、脇の下とか、首周りとか耳とか…あと足の裏も弱いかもね」



絶対に忘れない。心に刻んでおこう。


いつか使える日がくるかもしれない、なんて思う私は、ラスティ君にかなりムカついているのだろう。



ふと、ラスティ君の視線が私に向けられる。


「アリスちゃんは?」


あからさまにニヤニヤしながら聞いてくるラスティ君に、不快感が募る。



あんたみたいな厄介な奴に、たとえちょっとしたことでも弱点を教えるわけないでしょ、と言い返そうとした――が、



「アリスの弱点は後で俺が聞いておきます。俺しか知らなくていい」



それよりも早くブラッドさんがそう答えた。
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