マイナスの矛盾定義
分かってるって。


もう少しだけ待っててよ。


忘れたりしないから。


すぐそこへ行くから。




 ――…お 兄…ちゃ…お 兄 ちゃん…兄…――
《《<--->》》
   お  兄     ちゃ ん お 兄   ちゃ ん   お 兄ちゃ ん お兄 ちゃん 

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   お兄ちゃん お兄ちゃん
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お兄ちゃ ん  お兄ちゃんお兄ちゃん

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  お兄ちゃん お兄ちゃん

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    お兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃん
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   お  兄     ちゃ ん お 兄   ちゃ ん   お 兄ちゃ ん お兄 ちゃん 
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   お兄ちゃん お兄ちゃん
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お兄ちゃ ん  お兄ちゃんお兄ちゃん
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  お兄ちゃん お兄ちゃん
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    お兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃん

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 お兄ちゃ ん 
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お兄ちゃん  お兄ちゃんお兄ちゃん お兄ちゃんお 
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    兄ちゃん お兄ちゃんお兄ちゃん
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 お兄ちゃんお兄ちゃ んお兄ちゃ ん お兄ちゃんお兄ちゃん   
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お兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃん  
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 お兄ちゃ んお 兄ちゃ んお兄 ちゃん お兄ちゃん  
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お 兄ちゃんお兄 ちゃんお兄 ちゃん お兄ちゃんお兄ちゃん
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お兄ち ゃんお兄ち ゃんお兄ちゃ んお兄ちゃん お兄ちゃん お兄ちゃんお兄ちゃん 
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お 兄ちゃ んお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ち ゃんお兄ち ゃんお兄 ちゃんお兄ちゃん お兄ちゃんお兄ちゃん お兄 ちゃんお兄 ちゃんお兄 ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃ んお兄ち ゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃん 
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お兄ちゃん お  兄ち ゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ち ゃんお兄ちゃん お兄ちゃんお兄 ちゃんお兄ちゃんお 兄ちゃんお兄 ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃん

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お兄ちゃん お兄ちゃんお兄ちゃ んお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃ んお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃん  お兄ちゃん お兄ちゃん お兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃ んお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお 兄ちゃんお兄ち ゃんお兄ちゃ んお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃ んお 兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃ んお兄ちゃんお 兄ちゃんお兄ちゃんお兄ち ゃんお兄ち ゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄 ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお 兄ち ゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお 兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお 兄 ちゃんお兄 ちゃんお 兄 ちゃん お兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄 ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ち  ゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄  ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃ んお兄ちゃんお兄ちゃん お兄ちゃんお 兄ちゃんお 兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ち ゃんお兄ち ゃんお兄ちゃんお 兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃん お兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄 ちゃんお 兄ちゃんお兄ちゃんお兄 ちゃんお 兄ちゃんお兄ちゃ んお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃ んお兄ちゃんお兄 ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃ んお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ち ゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ち ゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ち ゃんお兄ちゃんお兄ちゃ んお兄ちゃんお 兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお  兄ちゃん
―――…あぁ、急かしてるのか。


大丈夫、誰にも渡したりしない。




だってアリスちゃんは、僕の大切な大切な――…


手掛かりなんだから。
―――…人の腕の中で眠るのは、とても心地良い。



「アリス、起きて。」


聞き慣れた声に、ゆっくりと目を開ける。


窓からは朝の光が差し込んでいた。



「…ん…もう朝…?」


「寝起きのアリスって可愛いよねぇ。」



間近から聞こえてくる声。


……というか、声の主は今私の目の前にいる。



同じベッドの上で、密着した体。



「まだぼーっとしてんのぉ?早く起きないとちゅーしちゃうよ?」

「……、」



目が覚めるどころか冴えた。


寝惚けてて一瞬分からなかったけど、この距離は近すぎる。



まるでシャロンが私を抱き締めているような状態。



そうだ…確か昨日は、あのまま流されて一緒に寝てしまったんだ。
「……何時。今」


「8時。もう少し早く起こそうかとも思ったんだけど、アリスも疲れてるかなぁって」


「優しいわね。こういう時だけ」


「そりゃねぇ。この後予定入れちゃったし」


「…は?」


「アリスが寝てる間にジャックが見つかってさぁ。一対一で話したいっていう要求もあっさり呑んでくれたよ。ただ待ち合わせ場所が指定されてる。ちょーっと遠いかなぁ」


「……そう。」



もぞり、と重い体をゆっくりと起こす。


遠い場所へ出掛けるのなら、早めに準備しないと…。



「ほんとに1人で行くわけ?俺と一緒に行くって手もあるけど」


「貴方の手は借りないって言ったでしょう」


「…ふぅん。俺はまだアリスと一緒にいたいのに、アリスは違うんだ?」


「今回のスパイ活動が終わったら暫くは一緒にいられるじゃない。嫌と言うほど」


「暫くは暫くであって“ずっと”じゃないじゃん」


「何?私に仕事するなって言ってるの?」


「別にぃ。ただ、俺が望んでるのはアリスとの永遠だって言いたいだけ」


「……よく分からないわ」



そう言った私に、シャロンはふふっと可愛らしく笑う。
そして――極自然に、私の額へとキスを落とした。



「アリスはしたいことをしてればいいってことだよ。ただし、俺の手の平の上で」



更に分からない。



シャロンのこの何とも言えない雰囲気は苦手だ。


人を逆らえなくするような、この感じ。



こんなぶりっ子男でも、私たちの組織のリーダーなのだと実感させられる。




「今回の仕事も、早く終わらせてね?俺が本気で寂しくならないうちに」



……また、思ってもないことを。


シャロンが寂しいなんて思うようなことがあるのなら、矛盾してるわ。

住み込みの秘書なんて仕事を私に与えた奴はどこの誰よ。


なんて皮肉を飲み込み、


「私に過剰な指図しないでくれる?」



そう睨んでベッドから出た。



確かこのホテルはビュッフェがあったはずだし、朝食はそこで食べよう。


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