マイナスの矛盾定義
「貴方がそこまで私に協力的だったなんて意外だわ」



協力してくれるのは嬉しいし有り難い。



でも、私1人じゃ何もできないと思っての行動ならやめてほしい。


こんなところで意地を張るのはどうかと思うけど、やっぱりそんなことを考えてしまう。



しかしシャロンは、


「良いんだよぉ、俺が好きでしてることなんだしねぇ」


と――私とは視線を合わさず言った。




「……分かった。でも少しでも妙な真似したら即刻殺すよ」


バズ先生はシャロンとジャックの両方に対してそう忠告し、ようやく端にあるテーブルへと足を向かわせる。



特に焦ることもなくずっとソファに座っていたジャックは、


「最近俺、脅されてばかりだな」


と苦笑した。
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