マイナスの矛盾定義
「お生憎様、私は貴方に頭を撫でられたいと思ったことはないの」


「ふぅん。じゃあ俺に何してほしいのぉ?」


「別に何も。…見返りを求めて貴方の気まぐれに付き合ってるわけじゃないもの」



そう言うと、シャロンは少しの間の後、何も言わずに私の方へ擦り寄ってきた。


私はそれに合わせて少し距離を開ける。しかしまた擦り寄ってくる。距離を開ける。


その繰り返しで、遂に椅子の端まで来てしまった。



「もう逃げらんないねぇ?」



スリスリと満足そうに頬擦りしてくるシャロン。いつものことながら、このスキンシップの過剰さはどうにかならないのかしら。
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