桃乃つぐみの日常〜Princessになるまで〜

episode1〜桃乃つぐみ、お姉ちゃんだもん!!〜

桃乃つぐみはいつも自信がない。
思えば幼少期から母親には褒められた記憶がほぼない。
気がつけば、母親からのプレッシャー?発言?からいつしか
完璧主義の子になったのだ。

桃乃つぐみは4人家族で母(ゆり)と父(功士)と4歳離れた弟のたくみがいる。
実家暮らしの私は気付けばずっと1人だった。

物心がついた頃、家族で行ったおもちゃ屋さん。
私が見つけたメメちゃん人形。着せ替えとかあるのか〜
とおもった矢先、母「あんたはこんなイメージないでしょ!他の
これとかは?」とゲーム機を渡される。
つぐみ「そっか。。たくみいるもんな。。みんなで使える
ゲーム機ってコスパいいもんな」
とどこか冷めた子?物分かりがいい子だったと思う。

弟や兄妹が欲しいと思ったことなんてないまま、急に告げられた
母ゆりからの「お腹に赤ちゃんがいるから、1人で遊んでね。お姉ちゃんになるんだよ」という突然の宣告を機に、
私の頭の中には2つの疑問があった。
「きょうだいって何?」「赤ちゃんってなに?」

でもつぐみは言えなかった。「そっか。ママ!これからは1人で遊ぶね!」
そこからつぐみの脳内にはいつも“わたしはお姉ちゃんだから”という言葉が離れなかった。

そこからというもの“お姉ちゃんだから”というその言葉に
つぐみはいくつも苦しめられたのだ。

スーパーのお菓子コーナーに家族で行った時、ゆりはたくみと私に「それぞれ1つずつ好きなお菓子を買っていいよ」と言った。

家に帰り、お風呂に入ったあとお菓子ボックスを見ると私のお菓子がない。
つぐみ「ママ〜?私がさっき買ったお菓子は〜?」と一緒に探す中でつぐみの目に入ったのは、
たくみがつぐみのお菓子を食べていたことだった。

たくみ「ママこれ美味しい〜」

つぐみ「え・・・私が選んだやつじゃん!なんで!最低!

ママ怒ってよ!」と怒り心頭のつぐみの言葉にゆりの一言。

ゆり「つぐみ〜しょうがないよ〜お姉ちゃんだもん!我慢してあげてよ〜だってまだたくみは4歳だよと」

つぐみ「そっか。。私が悪いのか、、、怒る私が悪いのか。。」と反省し、
納得いかない中でお姉ちゃんという謎の称号と自由な弟のギャップに苦しんだ。

つぐみ「なりたくてなったわけじゃないもん。。。お姉ちゃん。。。先に生まれただけで何もいいことないじゃん、
ここからずっとこんな我慢が続くの?」と思いながらも、つぐみはここで我慢を覚えた。
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