鉄壁の女は清く正しく働きたい!なのに、敏腕社長が仕事中も溺愛してきます【試し読み】
まあそんなふうに心の声が漏れてしまってもしかたない。相手を魅了するすべをこの御陵社長は知っていて、しっかりと使っているのだから。

この半年間、御陵社長はこちらの会社での引継ぎ作業のため来ていた。その時に接触した社員が口をそろえて言うのだ。

物腰がやわらかくて、接しやすい。話をしやすい。親しみやすい。ユーモアにあふれており、頭の回転も速く切れ者で理想の上司。

などなど、いい評判しか聞かない。

買収されることに不安を覚えていた社員たちも、御陵社長がトップに立つと知ってから、士気があがった。

ほんのわずかの間に、社内の雰囲気まで変えてしまったのだ。

その手腕たるや、残った経営陣も舌をまくほどだ。あからさまに彼を外からきた人間扱いしていた人物は、この半年で見事に彼に飼いならされた。

さっそく新しい体制でいろいろなことがスタートしている。

トップに立つべき人間のカリスマ性を目の前に突き付けられている。

こういう人は私と違って天から与えられた能力を、しっかりと生かすことができる人だ。

経営難だった会社も、彼がいればよい方向に進むと周囲に思わせる力がある。
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