とある男の収集癖

僕の2つめの秘密

腕時計を見ると、もうすぐ昼休みが終わる。そろそろ戻らないと。

僕は、ブレザーのポケットにタオルハンカチをしまって、男子トイレから出ていった。

次の時間は、確か体育だ。

体育館に移動しなければならない。

チャンスだ。皆教室に居ないから、また木村さんの私物を奪える。


今日は何にしようかな。

より、木村さんを感じられるようなものがいい。そのほうが盗みがいがある。

教室に戻ると既に誰も居ない。

僕はドキドキしながら、木村さんの席まで来た。廊下側の1番後ろの席。

スクールバッグが机の上に置かれている。色んなキャラクターのぬいぐるみが付いている派手なバッグ。

バッグは無防備にもファスナーが空いていた。急いでいたんだろうか、まあいずれにせよラッキーだ。

バッグの中に手を入れてゴソゴソ探ってみる。

ポーチを見つけた。キャラクターもののポーチ。リボンのネコの有名なやつ。

開けると、何か分からないものが入っていた。四角くて、テープで止めてある。

これは一体?でもまあ、とっておこう……

「なにしてるの? 」

え!? 誰!?

女子の声だ。
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