眩暈ーげんうんー

互いの唇が離れると、唾液がつーっと2人を繋いでいた。

「僕は教師で結婚もしているのに、鈴宮さんを好きになってしまった。いけないことなんです。だから僕を止めてください。お願いだから……」

先生が泣きそうになってる。



でも、止めてあげない。

涙がこぼれそうなその顔はあたしをより一層興奮させる。

大好きな先生と結ばれたい。

教師だろうと、結婚していようと構わないから。


あたしは先生を愛したい。

「先生。大好きだから、止めたくない。もっと先生が欲しい」


理性なんて持たせたくないから、あたしは先生の耳元で囁いた。できる限りの甘い声で。

先生を壊してしまおう。理性というものを手放してもらうんだ。

悪いあたしが、そんなろくでもない考えを頭に浮かべてるから、笑ってしまう。
今までそんな自分を知らなかった。

あたしはいやらしい顔をしてる。自分で分かる。

「もう、先生。あたし我慢できない。もっと先生でいっぱいにしてよ」


先生が甘たるい表情に変わったので、そそられた。

ああ、早く先生でいっぱいになりたい。
頭も、心でさえも全部。
< 16 / 25 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop