眩暈ーげんうんー
互いの唇が離れると、唾液がつーっと2人を繋いでいた。
「僕は教師で結婚もしているのに、鈴宮さんを好きになってしまった。いけないことなんです。だから僕を止めてください。お願いだから……」
先生が泣きそうになってる。
でも、止めてあげない。
涙がこぼれそうなその顔はあたしをより一層興奮させる。
大好きな先生と結ばれたい。
教師だろうと、結婚していようと構わないから。
あたしは先生を愛したい。
「先生。大好きだから、止めたくない。もっと先生が欲しい」
理性なんて持たせたくないから、あたしは先生の耳元で囁いた。できる限りの甘い声で。
先生を壊してしまおう。理性というものを手放してもらうんだ。
悪いあたしが、そんなろくでもない考えを頭に浮かべてるから、笑ってしまう。
今までそんな自分を知らなかった。
あたしはいやらしい顔をしてる。自分で分かる。
「もう、先生。あたし我慢できない。もっと先生でいっぱいにしてよ」
先生が甘たるい表情に変わったので、そそられた。
ああ、早く先生でいっぱいになりたい。
頭も、心でさえも全部。