眩暈ーげんうんー
出会ってしまった美しい衝撃
美術教師の細谷賢人先生と関係を持ったのは、あたしが彼を尊敬し全てを愛してるから。
元々、先生に憧れていた。作品を初めて見た時から才能がありあまる人だと思わずには居られなかったんだ。
中学3年の夏休み。あたしは先生の作品に初めてであった。
あの時の衝撃は忘れもしない。
咲坂東高校の文化祭。美術部の作品展示会のコーナーを見に行った。
咲坂東の美術作品は、うちの中学でも噂になっていた。部員全員、絵のクォリティーが高いって。
仄暗い照明が尚、作品の良さを引き出す。
様々な色彩の主張が並んでいる、そのどれもが輝かしい。他の作品も素晴らしいが、その中で一際目を引いたのが、細谷先生の絵。
色彩の暴力だといわんばかりの美しい力強い絵。
抽象画だろうか。
まばたきすらきっと忘れてるくらい、釘付けになった。
黒が背景で、火花のようなものが色とりどりに散りばめられている。
近づいてよく見てみると、一つ一つの点が細かく描かれていて火花となっていた。
繊細さもここまで極めると、壮大な絵になるのか。
作品には、眩暈 ーげんうんー とタイトルがある。
「おや。僕の絵に興味がお有りで? 目がチカチカして面白いでしょう」
優しい微笑みを浮かべて話しかけてきたのは、若い教師だった。
てっきり年配の人の作品かと思っていた。とても人生経験が浅い人間に描けるような絵だと考えられなかったからだ。
若さゆえに、勢いのある絵だったのか。
この人は本当に天才だ。
初めて絵を見て胸が高鳴った。
あたしの心は情熱に燃えていた。先生の作品に強く影響されたからだ。細谷先生への憧れも芽生えた。
あたしはこんな素晴らしい絵を描けるようになりたいと、心から思ったので作者に伝えたら目を細めて喜んでくれた。
更に自分が中学で美術部に所属していることを話すと、自分は美術の教師をしているので、良かったらうちの学校に来てくださいなと誘われた。
咲坂東高校は自宅からは4駅離れていた。
それでも近くの高校より、こっちを選んだ。
先生みたいな作品をあたしも作りたい一心で進路を決めた。
元々、先生に憧れていた。作品を初めて見た時から才能がありあまる人だと思わずには居られなかったんだ。
中学3年の夏休み。あたしは先生の作品に初めてであった。
あの時の衝撃は忘れもしない。
咲坂東高校の文化祭。美術部の作品展示会のコーナーを見に行った。
咲坂東の美術作品は、うちの中学でも噂になっていた。部員全員、絵のクォリティーが高いって。
仄暗い照明が尚、作品の良さを引き出す。
様々な色彩の主張が並んでいる、そのどれもが輝かしい。他の作品も素晴らしいが、その中で一際目を引いたのが、細谷先生の絵。
色彩の暴力だといわんばかりの美しい力強い絵。
抽象画だろうか。
まばたきすらきっと忘れてるくらい、釘付けになった。
黒が背景で、火花のようなものが色とりどりに散りばめられている。
近づいてよく見てみると、一つ一つの点が細かく描かれていて火花となっていた。
繊細さもここまで極めると、壮大な絵になるのか。
作品には、眩暈 ーげんうんー とタイトルがある。
「おや。僕の絵に興味がお有りで? 目がチカチカして面白いでしょう」
優しい微笑みを浮かべて話しかけてきたのは、若い教師だった。
てっきり年配の人の作品かと思っていた。とても人生経験が浅い人間に描けるような絵だと考えられなかったからだ。
若さゆえに、勢いのある絵だったのか。
この人は本当に天才だ。
初めて絵を見て胸が高鳴った。
あたしの心は情熱に燃えていた。先生の作品に強く影響されたからだ。細谷先生への憧れも芽生えた。
あたしはこんな素晴らしい絵を描けるようになりたいと、心から思ったので作者に伝えたら目を細めて喜んでくれた。
更に自分が中学で美術部に所属していることを話すと、自分は美術の教師をしているので、良かったらうちの学校に来てくださいなと誘われた。
咲坂東高校は自宅からは4駅離れていた。
それでも近くの高校より、こっちを選んだ。
先生みたいな作品をあたしも作りたい一心で進路を決めた。