まよいぼしカフェ
「書道の急な仕事で……電話をしたくて。お客様が来た時にいっとき、俺が不在にしていることを伝えていただけたら、と……」
「分かりました。仕事のお電話なら急いだ方がいいですし」
頷いたわたしに、香月さんの肩の力が抜けた気がした。
「……っありがとうございます。何かあればすぐ呼んで下さって大丈夫ですので。失礼します」
香月さんはわたしに一礼してまたカウンター奥へ戻っていった。
「随分血相変えとったなぁ珍しい」
「薫ちゃんいつも穏やかだからねぇ」
「まぁまぁ、待とうじゃないか。美羽ちゃん、ほら座って座って」
「あ、はいっ」