まよいぼしカフェ
「何にします?」
「その前に……ひとつお聞きしたいことがあって」
不思議そうにするも香月さんは頷いてくれた。
「この間、書道パフォーマンスのお話があった時……」
わたしが出した内容に、香月さんの眉がぴくりと動いた。
「乗り気ではないように見えて……ごめんなさい、気を悪くしてしまったら」
聞いたはいいが、やっぱりやめた方が良かったかも、という気持ちが生まれた。
しかし、香月さんはそんなことないですよ、と首を振ってくれた。
「仕事は素直に嬉しいんですけど……」
少し言いづらいのか、香月さんはそっぽを向いて続けた。
「割りと小心者でして……不安が大きいな、と。だから、オーケーしたものの……本当に大丈夫かなって。ご心配おかけしてすいません」