まよいぼしカフェ
――翌日。
あれ?
「ここら辺……というか、ここだったんだけどな」
途中、プラネタリウムへの道をさす矢印の看板を見て来たから、間違ってない……はず。
なのに、周りを見渡す限り住宅街が広がってる。
「……一本、道間違えたとか?」
夏休みだからか、ひとけがない。
とりあえず、誰か居たら聞いてみようかな。
プラネタリウムがあったはずの通りを少し過ぎたけど、車ばかり通りすぎて流石に止める勇気はない。
「どうしよう……ん?」
二、三歩後退って見れば、
『まよいぼしカフェ』
「カフェ?」
住宅街に紛れ、普通に通りすぎてしまいそうになったけれど、星形のドアプレートに目が行った。
紺色をベースにした外装で、建物周りの塀も特に店らしい雰囲気はなくて、周りの家に溶け込んでる気がする。
「あ、カフェなら道聞けるかも」
ちょっとした安心感を抱きつつ、まよいぼしカフェのドアを開けた。