まよいぼしカフェ



――翌日。


あれ?


「ここら辺……というか、ここだったんだけどな」


途中、プラネタリウムへの道をさす矢印の看板を見て来たから、間違ってない……はず。

なのに、周りを見渡す限り住宅街が広がってる。

「……一本、道間違えたとか?」

夏休みだからか、ひとけがない。
とりあえず、誰か居たら聞いてみようかな。


プラネタリウムがあったはずの通りを少し過ぎたけど、車ばかり通りすぎて流石に止める勇気はない。


「どうしよう……ん?」

二、三歩後退って見れば、


『まよいぼしカフェ』



「カフェ?」

住宅街に紛れ、普通に通りすぎてしまいそうになったけれど、星形のドアプレートに目が行った。

紺色をベースにした外装で、建物周りの塀も特に店らしい雰囲気はなくて、周りの家に溶け込んでる気がする。


「あ、カフェなら道聞けるかも」


ちょっとした安心感を抱きつつ、まよいぼしカフェのドアを開けた。



< 3 / 66 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop