まよいぼしカフェ
決まった進路
「ふぅ……」
カフェより少し手前のところで深呼吸。
昨日は色々考えすぎて、眠れなかったし、
香月さんを見た瞬間、挙動不審になる気しかしてない。
なるべく、いつものようにいつものように……
自分に言い聞かせるようにして歩を進めると、
「か、香月さんっ」
なぜかドアの前に立っていたのだ。
わたしに気付いて、すぐ笑いかけてくれる。
「いらっしゃいませ」
「どうしたんですか?また急用でもっ」
「はい、どちらかといえば急用です。……昨日、小心者の俺がした人生初の告白がうやむやになってしまったので」
あ――あのハプニングのせいで。
「改めて、言わせて下さい」
香月さんは息を吐くと、わたしに一歩近付いた。