まよいぼしカフェ




「美羽ちゃん、夏休み終わってもまた来てちょうだいね」

「はい」

「美羽ちゃんは、卒業したらどこさいくんだ?」

「えっと……」

常連さんとの会話で痛いとこつかれたが、香月さんが近付いてきてわたしの横にしゃがんだ。


「絶賛、俺がスカウト中です」

ね、と笑顔を向けられすぐ顔が熱くなった。それを隠すために俯く。


すると隣に座る常連さんがわたしの肩に手を置いた。

「好きなことを楽しく出来る環境が一番よ。でもなかなか難しいことでもあるけれどね」

「……そうですよね」

でも、とより近付いて小声で耳打ちされた。


「ここなら好きな場所で……好きな人と、ね」

「っ!?」


な、なんでっ――


「頑張ってね」

ぎこちなく頷くしかなかった。





わたしの好きなことを、楽しく、好きな人と……


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