まよいぼしカフェ
夏休みが終わり、季節が変わり始め――
「あ、きた」
ポケットの中で震えた携帯に目を通すと、香月さんから。
もうすぐ着きます、とメッセージを送って少ししてから返事がきた。
『待ってる。気を付けてね』
確認してまたポケットにしまった。
あの日わたしは、香月さんに告白されてすぐによろしくお願いします、と返事をした。
とんでもなく小さな声で。
わたしの返事に香月さんは胸をなでたのだった。
敬語がないメッセージになったのは、付き合いはじめてすぐ。
後、二人のときだけ。
これだけでも、嬉しすぎるのに早く会いたくなってきたわたしは足早にカフェへ向かった。