まよいぼしカフェ
「めんこいのぉ」
『!?』
横から聞こえた声に、香月さんとわたしは勢い良く顔を上げた。
声の主は常連さんたちで……にまにまとわたしたちを見つめている。
「い、いらっしゃいませ」
「……うふふ、二人して顔赤らめて可愛いわぁ」
「わしらが来たの気付かんくらい話に夢中だったのか?仲良しだなぁ」
「バカもの。ただの仲良しじゃなくてこれが、らぶらぶかっぷるっちゅうやつだ」
「そうなのか?」
「そうよー、いまめんこいって言ってたじゃないの」
「んだな」
常連さんたちの会話にわたしたちの顔に熱が集まった。
でもすぐに香月さんは咳払いをして、オーナーモードへ。
「……おっ、お席について下さいっ。いつものでいいですね?」
「おん、頼むよ」
「美羽ちゃん、飲み物持ってこっちおいで」
「薫ちゃんと何話してたのっ?」
「え……っとー……あはは──」