まよいぼしカフェ
「送って頂いて、ありがとうございました。帰り道お気をつけて」
ナビで辿って、家の少し手前でおろしてもらったのは、わたしの親が万が一に出てくると困るから……
香月さんとのお付き合いは話してあるけども、やはり恥ずかしい。
車からおりたわたしはドアを閉めると、
窓を開けてシートベルトを外した香月さんが体を助手席に寄せた。
「明日、約束の時間にここへ迎えに来るよ」
「……待ち合わせは駅じゃ?」
「……と思ったんだけど、車だと送れるし。ダメかな?」
彼氏の上目遣いってこんな破壊力あるのかしら。
「お願いしますっ」
ほら、迷わず頷いちゃった。
「うん、じゃあまた明日ね。おやすみ」
「おやすみ、なさい」
優しく笑って、車を走らせる香月さん。
「……格好いい」