まよいぼしカフェ

初デート





──翌日、わたしは香月さんとの"初デート"を迎えた。





「昨日のうちに服決めてて良かった……」



じゃなきゃ、ギリギリまでああでもない、こうでもないと慌てていたに違いない。




携帯で時間を確認すれば、約束の時間まで15分。

すでに昨日おろしてもらった場所にいるわけだが、待ち合わせ時間が迫ってくると、動悸が……緊張の現れね。



手汗がっ……ハンカチハンカチっ




鞄を漁り出した時、ゆっくりとわたしの前に車が止まる。
中を覗けば、微笑む香月さ……







髪お団子──!!





低めの位置に結ばれた髪型にさえ、トキメキを覚える。
だけど、それを隠しながら車へと乗り込んだ。





「こ、こんにちはっお願いします」



「こちらこそ。……可愛いね。今日も」



「……!」






駄目だった。隠すとか。

いつもの髪型と違う香月さんの笑顔にすら弱いのに、褒めてくれてっ……




「あり、ありがとうございます……」



「ふふっ、じゃあ行こうか」





すでにゆでダコ状態って感じのわたし──




今日のデート、後何回ゆでダコになるのかな……













< 58 / 75 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop