まよいぼしカフェ
初デート
──翌日、わたしは香月さんとの"初デート"を迎えた。
「昨日のうちに服決めてて良かった……」
じゃなきゃ、ギリギリまでああでもない、こうでもないと慌てていたに違いない。
携帯で時間を確認すれば、約束の時間まで15分。
すでに昨日おろしてもらった場所にいるわけだが、待ち合わせ時間が迫ってくると、動悸が……緊張の現れね。
手汗がっ……ハンカチハンカチっ
鞄を漁り出した時、ゆっくりとわたしの前に車が止まる。
中を覗けば、微笑む香月さ……
髪お団子──!!
低めの位置に結ばれた髪型にさえ、トキメキを覚える。
だけど、それを隠しながら車へと乗り込んだ。
「こ、こんにちはっお願いします」
「こちらこそ。……可愛いね。今日も」
「……!」
駄目だった。隠すとか。
いつもの髪型と違う香月さんの笑顔にすら弱いのに、褒めてくれてっ……
「あり、ありがとうございます……」
「ふふっ、じゃあ行こうか」
すでにゆでダコ状態って感じのわたし──
今日のデート、後何回ゆでダコになるのかな……