まよいぼしカフェ





あのカップルとは離れたところに座り、



わたしと香月さんは、スタッフさんのお薦めだというオムライスを頼んだ。





「お待たせ致しました。星空プレートのオムライスになります」




運ばれてきたオムライスは、星形の皿に星形のオムライス。細々と書かれたケチャップや旗も星。




「ごゆっくりどうぞ」




にこっと会釈して戻るスタッフさんに、わたしたちも軽く会釈を返し、早速頂く。





「なかなかの星だらけ感……参考になるなぁ」





まじまじとオムライスを四方八方から見ている香月さんはオーナーモードだ。





「……ん、おいひい!」



「うん、見た目も味も良いね。この卵どうやったのかな。きちんと角も包み込んであるし、真似てもうまくいきそうな気がしない……」



「下まで綺麗ですもんね」



「うん。聞きたい……と言うより作るとこが見たい。カフェのメニューに活かせる技術だと思うし。ここの部分とか……──」







頭の中でシュミレーションし始めながらオムライスを食べる香月さん。




お祖父様から意志を継いだカフェのために、真剣に熟考してる。









──やっぱり素敵だな……




< 67 / 80 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop