まよいぼしカフェ
あのカップルとは離れたところに座り、
わたしと香月さんは、スタッフさんのお薦めだというオムライスを頼んだ。
「お待たせ致しました。星空プレートのオムライスになります」
運ばれてきたオムライスは、星形の皿に星形のオムライス。細々と書かれたケチャップや旗も星。
「ごゆっくりどうぞ」
にこっと会釈して戻るスタッフさんに、わたしたちも軽く会釈を返し、早速頂く。
「なかなかの星だらけ感……参考になるなぁ」
まじまじとオムライスを四方八方から見ている香月さんはオーナーモードだ。
「……ん、おいひい!」
「うん、見た目も味も良いね。この卵どうやったのかな。きちんと角も包み込んであるし、真似てもうまくいきそうな気がしない……」
「下まで綺麗ですもんね」
「うん。聞きたい……と言うより作るとこが見たい。カフェのメニューに活かせる技術だと思うし。ここの部分とか……──」
頭の中でシュミレーションし始めながらオムライスを食べる香月さん。
お祖父様から意志を継いだカフェのために、真剣に熟考してる。
──やっぱり素敵だな……