まよいぼしカフェ

写真









まよいぼしカフェにて、


香月さんと談笑していれば遅れてきた常連さんたち。





「いらっしゃいませ」







「おー薫ちゃん、とびきりあったけぇコーヒー頼むな」


「あぁー……さみぃなもう冬だ冬」


「美羽ちゃん、ちょっとこっち来てちょうだいっ」


「はいっ」





荷物とカップを持参して隣に座ると、常連さんの一人が封筒をわたしに差し出した。




「これは?」


「いいから見てみてっ」




何故かウキウキとして、早く早くと急かされ封筒の中身を取り出すと……




「っ!これって……」




驚いて、常連さんの顔を見つめるとにっこり微笑まれた。




「そう!美羽ちゃんの夏休みに、薫ちゃんが書道パフォーマンスやる話あったでしょ!そしたら、わたしのお友達のお知り合いのお孫さんがそこの学校で。保護者の席があるからってお願いしちゃったのよ!」



バシッとわたしの肩を叩き楽しそうな常連さん。





「おれも写真見たけど、薫ちゃんいけめんだったなぁ」


「過去形にすんでねぇよ、今もだろうが」


「んだな」




あははは、向かいではそんな会話をしている常連さんたち。




わたしは一枚いちまい、香月さんの写真に目を通していく。


< 70 / 79 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop