まよいぼしカフェ
写真
まよいぼしカフェにて、
香月さんと談笑していれば遅れてきた常連さんたち。
「いらっしゃいませ」
「おー薫ちゃん、とびきりあったけぇコーヒー頼むな」
「あぁー……さみぃなもう冬だ冬」
「美羽ちゃん、ちょっとこっち来てちょうだいっ」
「はいっ」
荷物とカップを持参して隣に座ると、常連さんの一人が封筒をわたしに差し出した。
「これは?」
「いいから見てみてっ」
何故かウキウキとして、早く早くと急かされ封筒の中身を取り出すと……
「っ!これって……」
驚いて、常連さんの顔を見つめるとにっこり微笑まれた。
「そう!美羽ちゃんの夏休みに、薫ちゃんが書道パフォーマンスやる話あったでしょ!そしたら、わたしのお友達のお知り合いのお孫さんがそこの学校で。保護者の席があるからってお願いしちゃったのよ!」
バシッとわたしの肩を叩き楽しそうな常連さん。
「おれも写真見たけど、薫ちゃんいけめんだったなぁ」
「過去形にすんでねぇよ、今もだろうが」
「んだな」
あははは、向かいではそんな会話をしている常連さんたち。
わたしは一枚いちまい、香月さんの写真に目を通していく。