まよいぼしカフェ
雪だるまとクリスマス
降り積もった雪の道を進み、カフェの前。
わたしは立ち止まり、入口でしゃがんでいる香月さんに声をかけた。
「香月さん?何してるんですか?」
「あ、いらっしゃい。雪が積もったから、店の前に雪だるまでもと思って……」
「そうだったんですね」
──だから鼻が赤いのか。
「……って素手じゃないですか!」
「最初は手袋してたんだけど……冷たくなったからもういいかな、と」
手先が赤くなりだしてる香月さんは、軽く手の雪を払い、わたしを見上げる。
「じゃあわたしも手伝います」
自分の足元から香月さんのところまで、雪を引きずり固めていく。
……あー、手袋に雪ついちゃう。
わたしも素手で雪だるまづくり。
香月さんが丸めた玉の上に、わたしのを乗せれば……
「……完成、と言いたいところだけど、のっぺらぼうは可哀想だなぁ」
「そうですね……」
二人してキョロキョロと辺りを見渡し、適当な石と木の棒を雪だるまへ装着。
「うん。いい感じ」
「可愛くなりましたね」
「……でももう一人欲しいかな」
「もう一人?」
「うん。一人じゃ寂しいだろうしさ」