まよいぼしカフェ
──ホットココアを飲みながら、手も体もあたたまってきた頃、香月さんは珈琲が入るマグカップを手にわたしの隣に腰かけた。
「……ごめんね、せっかくのクリスマスなのにいつもと代わり映えしなくて」
「いえ!そんなこと全然ないです。一緒に過ごせるだけで嬉し……い、です」
言い終える前に照れが勝ってしまい、わたしはうつ向いてしまう。
香月さんのクスッとした笑い声に、目線だけ香月さんにやれば、
「俺の彼女は優しいね……クリスマスならイルミネーションやレストラン、それにケーキを食べたり……とデートする人が多いのに」
わたしの頭を優しく撫でる。
「……俺たちはいつものカフェで、のんびり」
「はい」
「まぁ、俺としては申し訳なさはあるけど……独り占め出来る嬉しさの方が勝るかなぁ」
ふふっと笑う香月さんに、顔が熱くなる。
……ずっと撫でてるんだもん。
独り占めの言葉にもそうだけど、段々と恥ずかしくなってきちゃう。