ラブコール♡ティー





「ああっ、もうだめ~」



ぐう、となるお腹をさする。

私は元気が取り柄の高校二年生、清水ももな! ……って、あいさつしたいところなんだけど。

正直今は、それどころじゃない。
なんてったって……。



「もう、お腹減ったよ~っ」



そう、今私は、動けないほどにお腹が空いているのだ。

いや、動いてるけど。


桜の舞う道を歩いていると、辺りにはもちろん食べ物屋さんやカフェなんかが並んでいる。

だけど私は、そのお店に入ることすら許されない。


黒色のショートパンツのポケットから取り出したのは、ほつれ気味の手作り小銭入れ。

チャックを開けて、中を覗き込んだ。



「うう、やっぱり何度確認してもこれだけ……」



チャリンと、一円玉がぶつかる音。

……私の全財産、たったの3円。

これじゃ、駄菓子も買えないよ。

私にはお金がない。イコール、食べ物が買えない。イコール、お腹が空いている!


……まあ、お金がないのは普通に昨日、使い果たしちゃったからなんだけど。食費代に。
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