ラブコール♡ティー


……う、気まずい。

お客さんからしたら、なにも注文していないっぽいのに屋台にいるただのおかしな人に見えてるよね、私……。



「はい。じゃあ、三つだから、660円ね」



店主さんは、袋を渡す代わりに小銭を受け取る。

……うん、やっぱり、正直に言ったほうがいいよね。
お金がないので、今日は遠慮しときますって―――。


そう、思い立った瞬間。




「ありがとうございました」



お客さんがそう言ったかと思えば、急に誰かに右手首を掴まれた。


――えっ。


まさかと思うけど……私、お客さんにっ?

いや、なんで!?

とつぜんの謎すぎる展開に困惑していると、そのままうでを引っ張られた。


ひっ、な、なにがあったのっ!?
というか私、店主さんにまだ何も言えてないのにーっ!

屋台の外に出ると、やっとお客さんの姿が見えた。
おしゃれな服に、モデルかと思うほどきれいなスタイル。



その正体は……。
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