とびきり甘いパンケーキ
【01.】店員さんと常連さん


木々たちが、
秋の色と香りに包ま始めた夜のある日。



「えっ、〝カフェmi-to〟行かないの!?」

「ぅ、だって............っ、」



私、川名ひなの(かわなひなの)に、
驚いた顔で、そう問いかけたのは。



幼稚舎からの同級生で、
親友の新山姫華(にいやまひめか)ちゃん。



姫華ちゃんは、イケメン好きで、
ミーハーで、The・お嬢様って感じの女の子。



一応、同じ学校にずっと通っていたものの、
私なんかとは大違いで、女の子らしくって。



私も女の子らしい、
女の子になれたらな............なんて。



何度憧れたか、分からないぐらい。



だけど...........................



「きょっ、今日は用事、あって......っ、」



今日も、苦肉の策で、
──────断る口実を作った。


< 1 / 33 >

この作品をシェア

pagetop