とびきり甘いパンケーキ
【01.】店員さんと常連さん
木々たちが、
秋の色と香りに包ま始めた夜のある日。
「えっ、〝カフェmi-to〟行かないの!?」
「ぅ、だって............っ、」
私、川名ひなのに、
驚いた顔で、そう問いかけたのは。
幼稚舎からの同級生で、
親友の新山姫華ちゃん。
姫華ちゃんは、イケメン好きで、
ミーハーで、The・お嬢様って感じの女の子。
一応、同じ学校にずっと通っていたものの、
私なんかとは大違いで、女の子らしくって。
私も女の子らしい、
女の子になれたらな............なんて。
何度憧れたか、分からないぐらい。
だけど...........................
「きょっ、今日は用事、あって......っ、」
今日も、苦肉の策で、
──────断る口実を作った。
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