とびきり甘いパンケーキ


だから。



「入江さん、私、頼んでない、です、」



正直に、〝事実〟を伝えると。



「はい。知ってます。
だからこれは、完全に〝サービス〟」



明らかに、
〝サービス〟の部分を強調して言う入江さん。



だけど.....................



「.........えっと、じゃあ、お金払い、」



〝常連〟の私だからこそ、
そこはきっちりしたくて、言葉を紡ごうとした時。



「だめです。
これは、おれからのサービスなんで」



私の言葉を阻止するようにそう言うと。



「それに、おれも共犯なんで。
2杯目のカフェオレ、楽しんでよ」



入江さんはそう言うと、
さっきまで千歳くんが座っていた席。



つまり、私の正面に、
──────コーヒーと共に腰掛けた。



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