とびきり甘いパンケーキ


「............えっと、さ、今の本当?」

「いま、の?」

「2人きり、とか緊張するって、」



そう、声に出てた事を気づかないレベルで。



「〜〜っ、ぅ、や、えっと、」



やばい、入江さんに、
なんて説明すれば良いのか分からない。



私の顔は凄く............いや、物凄く真っ赤だ。



言葉を発せないまま、
時計の秒針が何回か刻まれたとき。



──────ギュッと。



目の前から何も言わなずに、
入江さんの手が、自然に伸びてきて握られた。



(〜〜っ、やばい、これは想定外すぎる、)



入江さんと私は、
〝店員さん〟と〝常連さん〟だから。



こんなこと起こるなんて、全く想像してない。



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