とびきり甘いパンケーキ


「いつも、ご来店ありがとうございます」



ふわりと、耳に届いた、
パンケーキのように柔らかい声。



でも、その声は、
いつもよりうんと甘く聞こえて...............



〝好き〟



思わず、〝読んだ本に隠された真実〟を
確認する前に、自ら告白してしまいそうになった。



「本、読むのすき、なんです、」



危ない、危ない。



ふぅ、間一髪、危機一髪。



違う言葉にすり替えることが出来た。



すると、入江さんは、ひと呼吸おいてから。



「.........おれも、好きだよ、本読むの、」



ポツリと、考えた末出されたような声。



その声を聞いて、
〝確認〟せずにはいられなかった。



< 21 / 33 >

この作品をシェア

pagetop