とびきり甘いパンケーキ


いつも、入江さんを見て思う。



(カッコいい、なぁ、なんてっ、)



伝えられないくせに、
心の中で勝手に想ってるなんて。



入江さんからしたら、気持ち悪いって思われるかも知れないからそんなこと言えないから。



「〜〜っ、きっ、緊張しますよっ、
入江さんは、〝店員さん〟ですからっ、」



今日も、入江さんと会話出来たことを、
噛み締めながら、言葉を発すると。



「でも、きみは〝常連さん〟だから、
そろそろ、慣れて欲しいって思ってる。
あっ、いつものカフェオレでいいよね?」



私のことを、〝常連〟って認知してくれて。



いつも頼んでるものまで、
知ってくれてる事実に、ニヤつきそうになるのを抑えながら..................



「............いつもの、お願いしますっ、」



私は、静かに声を出した。




〝店員さん〟と〝常連さん〟なんて。



近づく可能性なんてないけど、やっぱり私は。



──────入江さんが好きなんだって思う。



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