天からの贈り物
第7話
僕たちは成田空港の国際便のエコノミークラスの座席に座っていた。右側の3列席の窓際に母が、その隣に父が、その隣に兄が座っていた。通路隔てた中央の3列席の右側に僕が座っていた。僕が座っている中央席の隣の席には中国人の男子大学生2人が座っていた。
飛行機が動き出した。いよいよ離陸の時が来た。飛行機は徐々にスピードを増していった。飛行機のエンジン音がますます大きくなっていった。僕の嫌いな瞬間が近づいているのが分かった。僕は自分の命を預けている。パイロットに、整備士に・・・自然に。僕は何度も何度もシートベルトを確認した。スピードが増すに従って僕は顔を自分の膝に埋めた。突然機体が浮き上がるのを感じた。機体が徐々に上昇していくのが感じられた。僕は顔を上げた。前方にある大きなスクリーンに上空からの景色が映し出されていた。建物や道路や田園がだんだんと小さくなっていった。耳に痛みを感じ始めた。遠くの席の人の声が近くで聞こえている。スクリーンには雲を上から撮っている映像が映し出されていた。シートベルト解除許可のアナウンスがあった。スクリーンにも案内が表示された。僕はシートベルトを外した。アイポッドを手に取ると、通路を歩いて行きトイレ近くまで行った。窓から機体の外の様子が見えた。雲が綿のように浮かんでいた。太陽の光が雲を照らしていた。雲は様々な色を反射させていた。僕は飛行機に乗ることは嫌いであったが、飛行機から見る雲は好きであった。単なる水蒸気の塊には思えなかった。ふんわりとした綿のような感触でありながら、その上を歩けそうなメルヘンチックな別世界のように思えた。小さい頃、地上から見た雲がとても好きであった。いろんな形の雲があった。動物のような形をしているもの、建物のような形をしているもの、いろいろ想像力がふくらんでいた。今この雲を飛行機の窓越しに見ている。雪のように真っ白な雲が太陽の光をあたり一面に反射させている。その一部が窓越しに入ってきている。その光が僕をメルヘンチックな気分にさせている。アイポッドにつないだイヤフォンを耳につけた。再生ボタンにタッチすると『天からの贈り物』が流れてきた。無数の音からなる静寂が飛行機のエンジン音を消し去った。無数の音の響きが少数の音の響きに向かうにつれて音楽の響きが増してきた。いつの間にか僕の意識は音楽と共に雲の上にあった。僕の体全体が雲の上を浮かんでいる気分であった。
飛行機が動き出した。いよいよ離陸の時が来た。飛行機は徐々にスピードを増していった。飛行機のエンジン音がますます大きくなっていった。僕の嫌いな瞬間が近づいているのが分かった。僕は自分の命を預けている。パイロットに、整備士に・・・自然に。僕は何度も何度もシートベルトを確認した。スピードが増すに従って僕は顔を自分の膝に埋めた。突然機体が浮き上がるのを感じた。機体が徐々に上昇していくのが感じられた。僕は顔を上げた。前方にある大きなスクリーンに上空からの景色が映し出されていた。建物や道路や田園がだんだんと小さくなっていった。耳に痛みを感じ始めた。遠くの席の人の声が近くで聞こえている。スクリーンには雲を上から撮っている映像が映し出されていた。シートベルト解除許可のアナウンスがあった。スクリーンにも案内が表示された。僕はシートベルトを外した。アイポッドを手に取ると、通路を歩いて行きトイレ近くまで行った。窓から機体の外の様子が見えた。雲が綿のように浮かんでいた。太陽の光が雲を照らしていた。雲は様々な色を反射させていた。僕は飛行機に乗ることは嫌いであったが、飛行機から見る雲は好きであった。単なる水蒸気の塊には思えなかった。ふんわりとした綿のような感触でありながら、その上を歩けそうなメルヘンチックな別世界のように思えた。小さい頃、地上から見た雲がとても好きであった。いろんな形の雲があった。動物のような形をしているもの、建物のような形をしているもの、いろいろ想像力がふくらんでいた。今この雲を飛行機の窓越しに見ている。雪のように真っ白な雲が太陽の光をあたり一面に反射させている。その一部が窓越しに入ってきている。その光が僕をメルヘンチックな気分にさせている。アイポッドにつないだイヤフォンを耳につけた。再生ボタンにタッチすると『天からの贈り物』が流れてきた。無数の音からなる静寂が飛行機のエンジン音を消し去った。無数の音の響きが少数の音の響きに向かうにつれて音楽の響きが増してきた。いつの間にか僕の意識は音楽と共に雲の上にあった。僕の体全体が雲の上を浮かんでいる気分であった。