曖昧ハート


 そこから皆でたこ焼きパーティーをして、夜も深まった頃。


 「お前ら全然変わってねぇー!」


 私の卒アルをクローゼットの奥から引っ張り出してきた兄貴たちが、写真と実物の私たちを見比べて爆笑する。


 兄貴たちが見ているのは村田も写っている小学校の卒アルだ。横から覗いて見てみたら、確かにあまり変わっていない。そのまま大人になりましたって感じ。


 「この人、高校でも一緒だったんだね」
 「そうよ。今でも時々、会うわ」


 村田は高校のアルバムの方を見ていて、同じ小学校だった同級生を高校の卒業アルバムでも見つけて、何でだかちょっと嬉しそうにしてた。ウォーリーを探せでも見るように、他にも知っている人がいないか探している。


 傍らにはやりかけのゲームとコントローラー。それに色んな対戦ソフトが散らばっている。

 何だか懐かしい。気持ちまで小学生の頃に戻った気分だ。アルコールが入ってる時点で大人ではあるけど。
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