曖昧ハート
「そもそも、なんでそこまで花音に執着してるんだ?」
「そこだよ。控えめに言っても中身おっさんだろ、こいつ」
「出会いも多そうなのに、そこまで別れたがらないなんて変だよな」
一弥、治郎、光弥の3人が納得のいかない顔でブツブツと呟く。
今までの男とはあっさり別れてたのに、って丸聞こえだぞ。失礼な兄貴たちめ。
そりゃ確かに執着される理由はないけどさ。徹底的に猫を被っていたから少しはマトモな状態だったんだよ。
そう思うのに近くで玩具を囓ってたキューピーまで、私を見て不思議そうに首を傾げてる。
クーン、って何だそれ。まさか、お前もか。キューピー。