曖昧ハート


 その所為で他の人と何度も鉢合わせて腹が立ってたけど、今日は欲望に忠実な君の下半身に感謝する。

 逃走経路として非常階段も全開にしたし、光弥と志朗もマンションの前で車に乗って待機してくれている。

 足は早い方だからどうにかなるだろう。そう思いドアノブを回したら案の定、鍵は開いていて。

 よっしゃ!と思いつつ中に入ったら、貴ちゃんと女の子がヤってた。


 うん。予想通り。もう好きじゃないし、別にいい。お好きにどうぞって感じ。

 本当にどうでもいい。そう。いいんだけど。自分の彼氏がデレデレしながら他の女の身体を必死に舐めまくってる姿ってのは……、ちょっと。

 これに勝てるドン引き場面はこの先ないんじゃないかと思う。


 キング、オブ、ザ、ドン引き。あんたが大将。優勝待ったなし。

 お願い、我慢出来ない、って脚の間からひょっこり顔を出して滑稽な。よしを貰ってハァハァ言いながら、そのまま突っ込んでて更に引く。

 これが欲しいんだろ〜、ってヤラせて欲しいのはお前だろ。付けるもん付けとけ。百年の恋も冷める。

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