曖昧ハート

 これなら村田の家に置いてある物の方が多いかも……ってか普通に多いわ。何なら向こうの方が本宅感。

 手ぶらで泊まりに行けるくらいには私専用の物が置いてある。


 置いていいなんて言わないけど、持って帰れとも言われない。

 買って持っていけば当たり前のように次のときも置いてあって、足りない物を借りれば、どんどん自分専用の物が増えていった。

 私が処分しない限りはいつまでも綺麗に保管してある。当たり前のように感じてたけど、ちょっと歪。


 村田にとっての私っていったい何だろうな……。私にとっての村田は……と余計なことをゴチャゴチャと考えつつ、床から立ち上がる。


 “気にしなくていい”と言ったのに、2人とも焦って服を着ているし。このまま飛び掛かられでもしたらマズイ。

 お家で監禁ヤンデレコースだ。それだけは避けたい。

 お願いだから少し時間を稼いでてよ。頼むから。と、心の中であまりよく知らない女の子に対して願う。

< 75 / 89 >

この作品をシェア

pagetop