曖昧ハート
これなら村田の家に置いてある物の方が多いかも……ってか普通に多いわ。何なら向こうの方が本宅感。
手ぶらで泊まりに行けるくらいには私専用の物が置いてある。
置いていいなんて言わないけど、持って帰れとも言われない。
買って持っていけば当たり前のように次のときも置いてあって、足りない物を借りれば、どんどん自分専用の物が増えていった。
私が処分しない限りはいつまでも綺麗に保管してある。当たり前のように感じてたけど、ちょっと歪。
村田にとっての私っていったい何だろうな……。私にとっての村田は……と余計なことをゴチャゴチャと考えつつ、床から立ち上がる。
“気にしなくていい”と言ったのに、2人とも焦って服を着ているし。このまま飛び掛かられでもしたらマズイ。
お家で監禁ヤンデレコースだ。それだけは避けたい。
お願いだから少し時間を稼いでてよ。頼むから。と、心の中であまりよく知らない女の子に対して願う。